中世・ルネッサンス時代に発達したリコーダーはバロック時代にはリコーダーの為の編曲もなされるほどになり、全盛時代を迎えました。しかし、18世紀後半からオーケストラの発展により、フルートにおしのけられてしまうのですが、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのイギリスやドイツの古楽復興運動の広まりによってみごとによみがえったのです。
ドイツ式リコーダーは半音階については考えておらず、P.ハルランはその間違いに気づき、後に自分の作ったリコーダーの大衆化を止めてしまったそうです。
「日本では多くの小学校においてドイツ式リコーダーを使用していますが、半音階については考えられていないので、幅の広い演奏はできないのです。ドイツでさえもほとんどがバロック式を採用しており、本物の楽器を子供たちに与えるならば、バロック式リコーダーにするべきなのです...。」と、安達教授は強く主張されています。
安達教授が訪問されたシュテルンベルク城楽器工房内等のビデオが上映されました。
リコーダー奏者、土屋京子さんによる「イギリスのナイチンゲール」、「ソナタ第2番」を鑑賞しました。
ここでは詳しく記述することはできませんでしたが、リコーダーの復興史について詳しく知りたい方は、 「リコーダー復興史の秘密」(音楽之友社)、をご覧下さい。
・・・つけたし・・・
安達教授のちょっとおもしろいお話
笛の語源については、万葉の語源だという説もありますが、津軽の"屁"からきているというのもあります。津軽では"へ"の発音は"ふぇ"と発音されるからです。
津軽では、音のでないおならのことは、すかへ(すかふぇ)と言います。と言うわけで、寝ながらする音のでないおならはなんと言うでしょう??...(答え)寝すかふぇ、ネスカフェ! だそうな、ギャフン!!
古楽器制作では、福田久俊さんのフィドルが見事完成しました。制作時間は、30時間だそうです。見事な色合いに仕上がっていて感激しました。演奏を聞く日が楽しみです。
弘前大学教育学部・同学院教授
日本音楽教育学会、日本吹奏楽学会、日本吹奏楽指導者協会、日本作曲家協議会に所属。
主な著書に「移調楽器の理論と実習」、「リコーダー復興史の秘密」などのほか、管弦楽曲「ラプソディー・イン・津軽」、「4本のリコーダーによる二つの小品、伽陀、踊り」「リコーダーと打楽器のための謡と踊り」などの作品があります。
***リコーダー復興史の秘密***
リコーダー復興史の秘密 ---ドイツ式リコーダー誕生の舞台裏
安達弘潮著
音楽之友社 03(3235)2111
ISBN4-276-12461-1 C1073